注意 この文は、カーマインちゃん高校生バレ前に書いたものです。 なので、制服をコスプレとして着ているので違和感があるかと思いますが ご了承ください。 カーマインは約束を守る男だ。そもそもできない約束はきっぱりと無理だと言うし、気が乗らない約束もしない。自分が出来る、とハッキリ思った約束だけを口にする。雑魚の命乞いなどには興味がないが、カーマインのお眼鏡に叶う強敵がお約束一つでやる気を見せるというなら、どんな約束でもしようというのだ。それに、カーマインには負ける気などないさらさらない。今から殺す相手の約束くらいは聞いてやろうという心持ちである。 だからこそ、こういう"負けてしまった場合"の、きわめて特異な、イレギュラーな、約束を守らねばいけない状態に陥ることなどほとんどないのだ。ほとんど。 「着替えたか?カーマイン」 扉の向こうから男の声がする。それにまだだとキレる元気もなく静かな声でこたえると、向こう側でイスを引く音がした。待つ気だ。 カーマインはわざわざこういった別室で着替えなどしたくない。ヤることはやるのだから、さっさと全部ぬいで終わらせてしまいたいのだが、相手が遮られた扉の向こう側で着替えている相手を待っているのが好きだとカーマインは知っているので、わざわざ扉を厳重にしめて、渡された服に袖を通している。 服はどこにでもあるような、高校の制服だった。腕を通せば肩や裾といった部分のサイズがやけにぴったりなのに悪寒が走るが、早くことを終わらたいカーマインはそれ以上深く考えることをせず黙々とそれを着る。相手に細かく指定された紙を見ながらその指示に従っていき、髪を後ろで縛り(そのひもがリボンなところが趣味の片鱗を見せられている気がする)眼鏡をかけた。 着替え終わり扉の前に立ちながら服をきちんと着替えたかもう一度見て、バカらしくなってカーマインは扉に手をかける。 「オイ、着替えたぞ……」 扉を開けてみれば、教室のような部屋だ。最初に部屋に通された瞬間から悪い予感をしていたが、ゴルドーは明らかにそういった「プレイ」を楽しむ気できている。それに約束だからといってつき合わされるかと思うと気分も乗らないというものだ。 案の定扉の向こうには体育教師に扮したゴルドーがイスにふんぞり返っていた。手には竹刀を持ち、首からホイッスルなどを引っ掛けているところがリアリティがある。やたらと似合うところが癪に触った。 こちらに目が合うと、嬉しそうに立ち上がる。 「似合うじゃねぇか、カーマイン」 「ウルセェ…悪趣味野郎がァ」 「まぁとりあえず座れ」 ゴルドーは自分が座っていたイスをわざとらしく引いてみせた。カーマインはそれに従ってそこへ座る。ゴルドーがイスとセットになっている勉強机の前に回ったので、カーマインはイスをひっぱり机との距離を詰めた。 手を机の下に置いて相手の出方を見ようと待っていれば、そのまま数秒無言の時間が続きカーマインが嫌々ながら恐る恐るゴルドーの方へ顔をあげると、相手は持っていた竹刀で机を叩いた。 「カーマイン、どういうことだ。万引きしたそうじゃないか!」 そんなケチくせえことはしてネェよと言いたいのを飲み込んでただ「そういうプレイ」をやろうとしているゴルドーを気持ち悪いものを見る目で見上げていれば、もう一度相手は机を竹刀で叩く。 「言えないのか、カーマイン。やましいことをしてないなら言えるだろう」 そういって竹刀の先で顎を持ち上げて無理矢理視線を合わせにきたので、これはいよいよ何かを言わなければいけないだろうか。何かを言わなければことが進まないままずっとこのプレイを続けるだけの不毛な時間が過ぎる予感がした。 じっとゴルドーの顔を見やれば、相手がいつになく真剣なのでバカバカしいがカーマインは「約束」を果たす為にもちょっとだけつき合うことにした。嫌々ながら。 「万引きなんてしてねェよ…」 「嘘をつくなよ、証拠だってあるんだ」 そういってゴルドーは懐から取り出したものをバンと机に置いた。なんで胸の所に入れてだとツッコミを入れたかったが、既にこのプレイに疲れ始めているカーマインはそんなものを言う気力もなく、机に置いたものを見やる。 コンドームだ。やけに可愛い柄の。むかつくピンクの袋にこれまたむかつく花柄が散っている。全体的にむかつく。 「これがお前が盗んだものだ」 「ハァ!?だれがこんな花柄のみみっちい柄を買うかよ!」 「だから盗んだんだろ!?」 また竹刀で強かに机を叩かれて、カーマインはこの掛け合いが心底嫌だということを顔にだすのを拒まなかった。机を叩いた拍子に例のコンドームが一瞬宙に浮いたのでさえむかつくほど静かな怒りが身体をしめていた。 「テメェ、フザケやがって…!」 「カーマイン、誤摩化さずにきちんと話すんだ。先生と一緒にあやまりにいこう」 あくまで先生の姿勢を貫くのか、ゴルドーがやけに熱の入った演技をする。 もうこの部屋にはじまり今の状況と目の前の男を今からでもぶっ壊して帰ろうかと思うものの、「約束」の二文字が頭をよぎり、一度カーマインは全身の力を抜いてみる。するとどうだろう、あまりに怒っていたというのに、とたんに目の前の出来事にあらがうのが面倒くさくなってきた。ブラッドスパイクを使って今この部屋を壊して回ったとしても自分の血が汚れるだけだと思う事にした。 「……」 「どうした、俺に言えないのか?カーマイン」 ゴルドーが机の前から竹刀を叩きながらカーマインの横に移動する。遠い目をして視界に男を入れないようにしていたカーマインは、ふいに顎を攫まれて男の方を向き直させられた。そのまま、口を付けられる。抵抗しようと一瞬手が動くが、指をこわばらせただけにとどめる。ゴルドーの手が頭の後ろに回って、舌が入ってきた。それに絡めるでもなく逃げるでもなくただ自分が最大限できる無抵抗をしながら、上から唾液を流し込まれるようなキツめのキスをされて指先が嫌悪感で震える。それにしても眼鏡が邪魔だ。 ようやく口を話されたのでカーマインがその口を拭っていると、ゴルドーは数秒その様子を見た後おもむろに呟いた。 「どうやら、教育指導が必要だな…」 そういうとゴルドーはズボンとパンツをずりおろし(ジャージなのでズボンはゴムだ)己のブツを取り出した。カーマインはなんとなく今からさせられる事がわかって身をひくが、相手はブツを二・三度抜いてカーマインの眼前に突き出した。 「舐めるんだ、カーマイン」 うげぇと言いながら顔を引きつらせれば、いよいよブツが距離を詰めてカーマインの頬を突いたので、カーマインはしぶしぶイスからおりて地面に足をつき、ゴルドーのブツと対面する。 「……クッ…」 分かってはいたが、いつ見ても口に含む大きさの許容量を超えている気がする。そのブツは少し抜いただけとは思えないほど反応していて、コイツが本当にこのプレイを楽しんでいるのだと思うとカーマインの気分はどん底に落ちた。それでも「このプレイ」を続けるからには「先生」が舐めろというのだ、舐めなければいけない。 「…ぐっ……ウゥ…」 おそるおそる先端を口に含んでみるが、舌に広がる最悪な味に顔をしかめる。男臭いにおいも相まって、既に喉の奥がすっぱくなった。それを我慢して、鈴口の穴に舌を差し入れるようにぐりぐりと刺激しながら、ゆっくり竿を口に含んでいく。 思った通り喉の奥まで入れても入りきらない部分が出てしまい、手先が嫌悪感でわなわなと動いているのをなんとかおさめてその部分に手を当てて抜く。口をすぼめて竿を舐めとるような動きをしながら頭を上下させ、手を抜き差しさせる。 何もいわないゴルドーをちらりと見れば、すごくよい笑顔だったので目の前のブツを見ている方がまだましだと視線を下に戻した。 そのまま少しずつブツを成長させていると、ゴルドーがふいにカーマインの髪に触ったのでやり方をイラマチオにでも変えるのかと冷や汗をかけば(ブツがでかいのでしんどい)手はただ頭をゆるゆると撫でるだけだった。 「いいぞ、カーマイン。その調子だ」 コイツに褒められてもちっともうれしくないが、口の中のブツは本当にいい感じだ。自分の手腕がうまいことを素直に喜んでいいのか微妙なラインだが、そのまま頭を降り続ける。 そのうち、口の中のブツがビクビクと反応し始めたので出すのかと思い思案していれば、思い切り頭を攫まれ口の中から勢いよく抜き出されたブツから顔面の、そう、眼鏡の当たりに精子が飛び散った。 ねばねばとした液体が眼鏡のおかげで目に入らなかったのはいいが、視界が非常に悪い。元々度が入っていない眼鏡だが視力も別に悪くないカーマインには邪魔なので、顔をしかめて眼鏡を取ろうとしたところでそれを止められた。 「あ、それ拭いてもう一度かけてくれよ」 ハァ、と大げさにため息をついて拭く為に眼鏡を外せば、先ほど出したばかりのゴルドーのブツが既に復活しており、その原因が今先ほど外したばかりの眼鏡だと行き着いたが何も考えずに適当に制服の端で眼鏡をふいて元に戻した。 眼鏡とコイツから連想される相棒なるある男が思い浮かんで悪い予感がしたが、深く考えてもよいことがないと頭を振ってその考えを外に追い出す。 立ち上がるように指示され、それに従えばゴルドーはまたカーマインにキスをする。正面から抱きつくような姿勢に、だから眼鏡を外させればいいのに、時々あたってカチカチと鳴るのでうるさくてたまらない。 舌を入れてきたと思ったら、片手を腰にまわして尻を撫で回し始めた。その動きが本当にゲイのようでカーマインは鳥肌がたつ。ゴルドーはそんなことお構いなしに両手を尻にまわし、寄せたり離したりして遊び始めた。無駄にきっちり着込んだ制服に皺ができていく。カーマインはだんだんと前のめりになるゴルドーの服の端をしょうがなく攫んだ。 尻をもんでいた手がだんだんと奥の窄みを探すような動きになってきて、そこをかすめるたびにカーマインの身体が自然と跳ねる。それに気を良くしたのか、ゴルドーがベルトを抜き始めたのでカーマインは思い切り舌に歯を立ててやった。 さほど驚きもせず口を離したゴルドーと距離を置こうと後ろにさがったカーマインは、机にぶつかって止まる。舌をもと合った場所へ引っ込ませたゴルドーは、少しだけ怪訝な顔をした後口の中の唾液を飲み込んだ。血がでたようだ。それはカーマインの舌の上にも残っていて、口の中の鉄臭さが少しだけ機嫌を良くさせた。コイツの血は、悪くはない。 「…ハッ…生徒に手をだすたぁ最低だなァ先生よォ…」 「先生に噛み付く生徒も大概だけどな?」 すぐいつもの調子に戻ったゴルドーは、改めてカーマインのベルトに手をかける。今度は抵抗せず、カーマインもネクタイを緩めシャツのボタンを外していった。いつものくせで髪をかきあげようとして、そういえば髪は縛ったことを思い出す。 「コレとか、眼鏡とか、お前の趣味かよ」 「いいだろ?眼鏡」 「ぜんッぜんだな」 あざ笑うように言ってやれば、それを黙らせるようにベルトを抜き終わったゴルドーがズボンの中に手を入れてカーマインのブツに手を這わせて優しく揉んだ。 「…ンッ…!」 「でもたまにはいいだろ?」 全然よくねぇよ、という答えはもう片方の手が後ろに回った事せいでついぞ言えなかった。 こいつはキスをするのが好きらしいのだと、なんとなくカーマインは分かっている。 さっきから二度舌を入れてキスをされたし、それに相手がやたらと慣れている。経験を積んでいるからこそ、好きなのだろう。技を披露するのはいつだって楽しい。 カーマイン自身はといえば、なるべく皮膚が薄い部分には触られたくない。多く血が通っている部分は尚更だ、相手の血から伝わってくる鼓動が「血」を操るという特殊な能力の関係上こちらにも届いて気分は高揚するものの、触られるという行為があまり好きではない。自分の血が近くにいる獲物に気づいてざわついて仕方がないからだ。 もっともっとと、舌先が口内に侵入してくる。それを仕方なく受けいれていた。そもそも、どうしてこんな約束をしたのだろうとカーマインは考えながらも、自分に自信があるものが負けることなど考えるわけがないのだからしょうがないのだという結論に至る。たとえまた負けたとして…まぁもう一度戦ったらもう負けないが、今度こそこんなプレイからはうまく逃げることを確信していた。 しかし、あまりいやいやいっていても面白くない。 そろりと絡めた舌にわずかな鉄の味がする。先ほど噛んだ際の出血がまだ残っているようだった。それを探るように、受けているだけだったカーマインは自ら相手の口に舌を延ばして、鉄の味を探りながら傷口を抉るように舌を絡める。 血を全部吸ってやろうと時々吸いつきながら、ゴルドーの舌をやんわりと噛む。さすがに痛いのかゴルドーは軽く顔をしかめたが、なるべく平静をよそおっている。それがおかしくて、カーマインはさらに奥に舌をつっこんだ。水気の強い音が、安っぽい作りの教室を模した部屋に響く。あまりに機嫌がよくなったものだから、サービスで自らゴルドーの首に手を回してやった。 お互い苦しくなったところで、ようやく口を離した。舌と舌の間に透明な糸ができたのをぷつんと切って、ゴルドーはカーマインをセットの机の上に押し付ける。せっかく結んでやった髪が乱れて、ぐしゃぐしゃになっているのがわかる。眼鏡も机に下ろされたさいにずれて、鼻の部分が当たって痛い。 「突然乗り気だな、カーマイン」 「テメェがこんな回りくどいプレイしなければ、今よりもっと乗り気だったかもなぁ?」 わざとらしくネクタイを緩めてみせれば、ゴルドーはフッと笑ってもう一度カーマインにキスをした。 そのまま、手が下にのびる。男性器を揉み扱かれたと思ったら、先ほど抜き取ったベルトのないズボンの隙間から直に触ってきた。呻き声がくっついた口の隙間から漏れるが、それをも舐めとるようにゴルドーが舌をつっこんでくるので息苦しい。 片手を隙間から入れているくせに、器用に刺激してくるせいでカーマインの背筋が泡立つ。体がこわばり、背中が持ち上がる。意識していないのに、ゴルドーの手に性器を押し付ける形になってしまい舌打ちでもしたい気分だった。 服の中で擦るから、パンツの中が水気を吸って気持ち悪い。ゴルドーは服をすべてぬがせる訳でもなく、ただ尻の下まで服をずり下げて太ももほどまでの下半身を露出させるだけにとどめた。 机に寝るようにしていたカーマインの足を攫んで持ち上げ、膝を胸につけるように折り曲げ、そこに乗りかかるように体重をかける。少々苦しい姿勢に対して抗議の目を向ければ、ゴルドーがカーマインの手を導いて太ももあたりにもっていったので、攫めということだと判断ししぶしぶそのあたりに手をかけた。ゴルドーはといえば、十分ぬるついた性器の奥に手を差し入れて、何度かつかったことのあるその穴へと手を伸ばす。 最初は、ただ淵をなぞる。ゴルドーの手先が円を書くように穴の入り口を触るたびに、そこはきゅっとしまった。それをからかうように何度も淵をなぞりながら、机の中からジェルを取り出す。何故そこに入れてあるのかといえば、ここがラブホテルだからだろう。他にもコンドームやら怪しいグッツやらがつまっているに違いないが、今はとりあえずジェルを取り出して、器用に口と手を使って片手で蓋を開けて自らの手にかけた。それが人肌まで暖まるのを待って、入り口に刷り込むようにジェルを押し付ける。暖めてもやはり少し冷たくて、肌がビクビクとふるえた。それを押さえるように撫で付けられながら、入り口を擦られて、持ち上げていた尻が逃げるように下がった。手がずり落ちてしまいそうで必死に押さえていれば、ゴルドーがそろそろと指を穴に突込ませる。 何度目か分からない挿入だが、穴を押し広げる圧迫感にも既に興奮し、口の間から情けない声が漏れる。そこに狙ったようにイイ所を擦られるものだから、カーマインは抑えめの喘ぎ声をあげるはめになった。 「は…ぁ…あう…う…」 「気持ちいいか?」 「聞…っく…な…」 指が、性器を突込ませたときのように出たり入ったりを繰り返す。男らしく骨張って節くれ立っている指は、ごつごつとしていて太い。二本指を食ませながら、それで中を広げるような動きを繰り返した。 広げている、とはっきり分かる動きだった。拡張させている時の動きはただ広げているだけなのであまり気持ちよくないが、不本意ながらカーマインの穴は慣れきっているのでおとなしく広がっていった。そのうち、三本の指が入ってくる。三本ともなると、穴の中も満杯となってくるが、ゴルドーは気にせずまた拡張を繰り返した。 尻を突き上げている姿勢なのと、三本の指で腹が苦しくなっているカーマインの表情を一瞥したあと、ゴルドーはそれを見てニコリと笑って、激しく指を動かし始めた。 今までの動きとは打って変わり、的確に良い場所を攻める動きにカーマインは身悶える。足を支えていた手を剥がしてゴルドーの服を攫み殴り掛かろうとするが、抉るような動きに耐えるしかなく攫むだけで終わってしまった。前のめりになったゴルドーは、カーマインの顔をのぞきこむようにしながら震えるその顔を見ている。 見られている、と気づいて唇を噛んで声を抑えようとするが、激しい攻めにどうしても声が漏れてしまった。 「あ…ぁっ…ぉっあ…ああぁ!」 激しく攻められているというのに、どこか物足りなさも感じてカーマインは服の端を破るほどの勢いで握りしめる。ギリギリと音が聞こえてきそうほど強く握りしめるそこを見て目を細めながら、ゴルドーはひときわ強くそこを刺激すると名残惜しそうに穴から出て行った。 「は…ぁは……っ…」 無理な姿勢を続けているのと、感じ過ぎのせいで内腿がぶるぶると震えている。ゴルドーがそれをそっと床におろすと、カーマインは机の上に脱力した。荒い息を整えようとしているのか、横を向いて目をつぶりじっとしている男から髪紐をそっとほどく。そのまま、髪をかき混ぜれば、ほんのり赤くなった髪が机の上に散った。眼鏡も外して、その辺りに適当に投げる。 「髪結んでんのも、眼鏡してんのも俺は好きだけど」 二、三度梳くように髪を撫で付ければ、カーマインがうっすらと目を開ける。 「いつものアンタが一番だな」 そういうとゴルドーはカーマインの腰と背に手を入れて、持ち上げた。自分自身は今までカーマインを寝かしていた机の上に座る。 なにかその言い方がしゃくに障ったので、カーマインはゴルドーを上から殴りつけた。ゴルドーは反撃するでもなく、ただカーマインの攻撃を素直に受け止めて、痛そうに頬をさする。 「どーゆう意味だよ、アァ?」 「…変に萎えてるアンタより、乗り気でヤル気のセックスフレンドなアンタのほうが魅力的だってことだよ」 「ハン…」 笑いながらも、ゴルドーは口の中を切ったようで血まじりの唾を吐く。ぺっぺっと血を外に出そうとしているが、すべて吐ききることはできなさそうだ。先ほど噛んだ後に続いて口を切ったものだからさぞかし口の中が鉄臭い事だろう。ゴルドーの膝の上にのっている今の体制でもわずかにカーマインの視線が上なだけでほぼ目線は一緒だ。カーマインはその頭の後頭部を固定すると、驚くゴルドーの口に自分の舌をつっこんだ。 口の中の濃厚な血の味が、カーマインの気分を高揚させる。目を閉じて味わうように夢中に血を貪り、もっともっとというようにゴルドーの顔を手で挟んで固定した。 髪が、うっすらとした色づきから赤に変わっていく。ゴルドーはその紅に目を細める。 ゴルドーはカーマインのその白い髪も美しいと思うが、なにより血の色を反映した赤の髪こそが美しいと思う。彼の武器である血が全身に巡り、鼓動こそ聞こえないモノの切り取れば今にも血が噴き出しそうなほどつやつやとしている。この姿で虚ろの夜を駆ける姿は、この偽誕者を失うことがもったいないと思わせるような動きなのだ。 「っ…」 相手の反応しているものが足にあたって、カーマインの背中が大きく跳ねた。 ゴルドーのモノは既に大きく反応していて、いつでも臨戦態勢だ。口から舌を離したカーマインはそのブツを一瞥して、にやりと笑う。 「勃ってんじゃねぇかよ」 「ああ、そうだな。アンタの髪も真っ赤だ」 「血舐めたからなぁ?」 酷いほど愉快なようで、ケラケラとあざ笑うようにしているカーマインはジャケットをぬいで、その辺りに放り投げた。 「テメェの血は、悪かねぇ」 「それはお褒めに預かって光栄だねぇ」 「…そろそろ入れろ」 勃っているものを突きながら言えば、ゴルドーは笑ってそれを尻穴へと近づけた。手で固定しながら入り口を探しているのを手伝うように、入れやすいように腰を持ち上げてやった。先ほどの中途半端な満足が、挿入への期待に繋がる。ごくりと生唾を飲み込んだのが聞こえたのか、またもやゴルドーが軽く笑った。 腰を固定して、落とすようにゆっくりとカーマインの中へゴルドーは根をおろす。中が押し込まれた性器の形を探るように締め付けるので、ゴルドーは腹に力をいれてそれなりに我慢しなくてはいけなかった。それ以上に荒い息で堪えているカーマインを見上げる。はらりと落ちてきた白い髪が顔にかかるのをよけながら、胸をなで上げた。 「…ぅっ…」 「動くぞ」 そういうと、ゴルドーは性器を穴の淵にかけるように抜くと、ガツンと最奥をつく。浅いところを二度三度擦って、また最も深くへ突き刺すを繰り返した。入り口が奥からさっていく性器を名残惜しそうに自分の意思とは関係なく締めるけるのを感じながら、背筋を泡立たせる快感をどうにかしようと腕に手をついた。 浅く、深くの繰り返しがだんだんと早くなっていく。そのうち、浅い所をつくのをやめた性器がギリギリまで抜いては突くの繰り返しに転じて、いよいよ喘ぎを我慢できなくなった。 「あ…あっ!ああっ!…っ!…」 「カーマイン」 「な…っんんっだ…よ…っ」 「カーマインッ…」 特に意味もなく名前を呼ぶゴルドーが、何か気持ち悪い。答えようとしても下からがつがつと遠慮なく突き上げられているせいで、喘ぎ声まじりの聞き取りづらい声しか出せなかった。 「な…んっなんだ…よ…ああぁぅ…」 とにかく追いつめるような動きをされて、カーマインの喉が詰まる。呼吸ができなくなるほどの強い打ち付けに背が反った。 「あぁっぎいぃ…!うぐぅっ」 「ッ…辛いか?」 こちらを伺うような言葉を吐きながら、それでも遠慮なしに最奥をつくような動きで、腰を強く強く打ち付ける。まぶたの裏で白い花火が散って、頭がくらくらした。 排泄器官であるはずの穴が、すっかり開いて快楽を傍受するためだけの雌の穴になっている。ただ、相手の性器が入れたり出たりしているだけだというのに、おかしなくらい感じているソコは締めるということが忘れてしまっているのかと思うくらい順従にゴルドーの性器を受け入れていた。その気持ちよさが、押込められて一瞬でカーマインの背中から頭へと通り、体を麻痺させる。震えが止まらない手でゴルドーの腕をひっかいてどうにか正気を保とうとするが、また突入れられてカーマインはついに笑ってしまった。 「あっ…いい…ぞ…ハハハッ…ハ…アッ…!」 足がもっとキツくハマるようにゴルドーの腰を挟む。自分ではどうにもできないほど勝手に緩んでいる穴が適度にしまり、ゴルドーが一瞬だけ眉根をよせた。 ゴルドーの腰の動きにあわせて、自分も尻をあげる。勢いを増した最奥に性器の先がぶつかるとき、一瞬気絶しそうなほどの電撃が走りカーマインは体を痙攣させた。ゴルドーがそれに気づいて動きを止めれば、カーマインがとろけた真っ赤な目のまま、ゴルドーの頭に手を絡める。 「…っと…よこせよォ…!」 動きを止めていたゴルドーに焦れて、カーマインが自分から動き始める。口端があがったまま、気持ちよさに眉根をよせてぎゅっと目を閉じたカーマインが、喉の奥から呻き声のような快感の声を出す。持ち上がる動きはゆっくりと、ゴルドーの腕に爪をたてながら。戻すときは自重で勢い良くという動きを繰り返す。 「ぁっ…ァハッ…ぁあっ」 笑いながら目の前でオナニーをされるのを見て、ゴルドーも愉快なばかりではなくなってきた。タイミングを見計らって、カーマインが体を持ち上げた瞬間素早く手を腰に置いて突き上げる。 「あっは…っあぁっう!あ…!あ…あ!」 不意打ちの動きと気持ちよさにのけぞれば、首元を噛み付かれる。身動いでも離さないほどの強さで噛み付かれて、その衝撃と事実をじわじわを理解し、『噛み付かれている』と強く感じた瞬間、カーマインは射精した。 「あ…!はぁっひ…ぃいい!」 それでもおかまいなしに自分の快楽を追う穴の中の性器に、イったばかりで敏感になっている体に許容量を超える痺れを与えられて口がうまく回らない。 「このっ…遅漏っ…あ!」 黙れと言わんばかりに突き上げられ、カーマインは回らない口で必死に息を吸いながら、垂れ流すように喘いだ。先ほど射精したばかりだというのに勃ちあがる自分自身を見て末期だと思いながらも、アダルトビデオの女優のようにみっともなく善がった。足をおっ広げて、貪るように快感を得る。 また、キスをされた。何がなんだか分からなくなっている頭ではただその粘膜が気持ちよくて、舌を突き出して必死に絡ませる。唾液を口の中に上品におさめておく事も出来ずに、ゴルドーの血まじりのソレを混ざって胸と胸の隙間に落ちていった。 「あふっ…あ…」 穴の中の性器は限界に近い。それを感じ取るようにゴルドーはラストスパートをかけはじめたようで、動きが早い。もはや出ているのか入っているのか分からなくなりながら、無我夢中で背中に腕を回してその瞬間を耐えた。 「あ…あぁっあ…!あああ!」 「ウッ…」 ゴムもしていなかった性器の先から勢いよく精液が飛び出して、カーマインの穴の最も奥に液体を注ぐ。カーマイン自身も吐き出して、腹を汚した。 体内に注がれたものが奥に収まりきれずに性器と穴の隙間に充満していくのにも感じてしまい、うんざりした。 すべてを出し切るまで執拗に押し付けてから、ずるりと萎えたモノをとりだす。ほどなくして、どろどろとゆっくりした流れで死んだ精液が出てくる。それを満足したように見てから、ゴルドーは机の中からタオルを取り出してカーマインに被せる。 「お疲れさん」 「…もう…テメェとは当分しねぇ…」 どっと疲労がきて、カーマインは擦れた声で恨みを伝える。とにかく、眠い。激しい運動をしたのだから当たり前だ。それに笑いながら、ゴルドーはカーマインの体を丁寧に拭き始めた。 「もうしねぇ、じゃないんだな」 その質問に答えることはとても癪だったので、瞼が赴くまま、カーマインは目を閉じた。 それを笑う声が聞こえる、聞きたくなくて、さっさと寝てしまった。 |